縮毛矯正1剤(還元剤)の種類と違い
縮毛矯正1剤の主成分は、毛髪内部のSS結合に作用する「還元剤」です。
代表的なものに、チオグリコール酸、システアミン、GMT、スピエラなどがあり、それぞれ性質が異なります。
「チオは傷む」「化粧品登録のシステアミンは髪に優しい」といった説明もありますが、実際の縮毛矯正は、還元剤の種類だけでダメージや仕上がりが決まるわけではありません。
このページでは、縮毛矯正1剤に使われる主な還元剤の特徴と、縮毛矯正を考えるうえで重要なポイントについて説明します。
縮毛矯正1剤の役割とは?
髪をそのままストレートアイロンするだけでは、その時は真っ直ぐになっても、洗えば元通りで癖毛は伸びません。
そこで使用するのが縮毛矯正の1剤です。
1剤に配合されている還元剤は、毛髪内部のSS結合に作用し、髪を形状変化しやすい状態にします。
その状態で、ブローやアイロンの熱で髪をストレートに整え、2剤で酸化させることで固定しています。
縮毛矯正に使用される主な還元剤
縮毛矯正に使用される還元剤には、いくつかの種類があります。
ここでは、現在よく使用されている代表的な還元剤について簡単に説明します。
| 還元剤の種類 | 分子量 | 至適pH |
| チオグリコール酸アンモニウム | 109 | pH9~9.5 |
| システアミンHCl | 113 | pH6~9 |
| スピエラ | 118 | pH5~6 |
| GMT | 166 | pH6~7.5 |
| チオグリコール酸システアミン | 169 | pH6~8 |
チオグリコール酸アンモニウム
縮毛矯正で古くから使われている代表的な還元剤です。
強い癖毛にも対応しやすく、縮毛矯正においては現在でも重要な還元剤の一つです。
一方で、チオグリコール酸アンモニウムを使用した縮毛矯正剤には、強いアルカリ性の商品が多いため、「チオ=傷む」というイメージを持たれることがあります。
しかし実際には、チオグリコール酸アンモニウムだけでダメージが決まるわけではなく、アルカリ度、pH、還元剤濃度などによって毛髪への作用は大きく変わります。
システアミン塩酸塩
システアミン塩酸塩も、縮毛矯正で使用される化粧品認可の還元剤です。
チオグリコール酸アンモニウムとは毛髪への作用が異なるため、柔らかい質感を作りやすいという特徴があります。
一方で、独特の臭いがしばからく残ったり、髪質や履歴によっては、癖毛が伸びにくいことがあります。
システアミン塩酸塩だから髪に優しい、チオグリコール酸だから髪が傷む、という単純な比較はできません。
スピエラ
スピエラは、正式にはブチロラクトンチオールと呼ばれる還元剤です。
酸性域でも作用するため、主に「酸性ストレート」に使用されています。
アルカリダメージはありませんが、ラクトン環にSH基を持つスピエラは構造上、切断したS-S結合の再結合が難しい還元剤です。
そのため、使い方を誤ると、施術後しばらくしてから酷いダメージが出てくることもあります。
酸性だからダメージが少なく・・・そんなに単純な話しではありません。
GMT
GMT(グリセリルモノチオグリコレート)も、「酸性~中性ストレート」で使用されることの多い還元剤です。
酸性域でも、加温やアイロンなどの熱を併用する事で強い還元力があり、施術中の臭いも施術後の臭いも少なめです。
ただし、GMTを使えば自動的に癖毛が伸びるわけでもなく、その強い還元力は上手にコントロールしなければなりません。
チオグリコール酸システアミン
チオグリコール酸システアミンは、2020年に化粧品認可された、強酸性のチオグリコール酸と強アルカリ性のシステアミンをイオン結合させた還元剤です。
1分子中に2つのSH基を持つからなのか、酸性域でも還元力が強いため、上手にコントロールする必要があります。
施術中の臭いは少なくても、施術後に臭いが残ります。
還元剤の種類だけでは、縮毛矯正のダメージは分からない
縮毛矯正剤を比較するとき、還元剤ばかりが注目されることがあります。
しかし、実際には同じ還元剤を使用していても、薬剤の設計によって毛髪への作用は大きく変わります。
縮毛矯正1剤を見るうえでは、少なくとも次の要素を一緒に考える必要があります。
- 還元剤の種類
- 還元剤濃度
- 還元剤の組み合わせ
- pH
- アルカリ度
例えば、同じチオグリコール酸アンモニウムを使用している薬剤でも、アルカリ度が高いものと低いものでは、髪への作用は全く別物です。
逆に、髪に優しいと言われる酸性域で還元剤を使用したとしても、アイロン工程で大きな熱負担を与えていれば、毛髪への負担は大きくなります。
つまり、「何の還元剤を使っているか」だけで、縮毛矯正剤の良し悪しを判断することはできないのです。
還元剤濃度が高ければ、癖毛がよく伸びるわけではありません
よく縮毛矯正では、「還元剤濃度を高くしたり、還元力を強くすれば、癖毛がよく伸びる」と考えられがちです。
もちろん、還元が不足していれば、十分なストレート効果を得ることはできません。
しかし、必要以上の還元作用は、それだけ毛髪への負担にもなります。
縮毛矯正は、還元剤濃度の高い薬剤や、還元力の強い薬剤を使い、その後のアイロンで無理に形を整える方法だけではありません。
なぜなら、VERY VERYでは、そういった強い薬剤に頼るのではなく、髪そのものをストレートに変形しやすい状態にすることが最も重要だと考えたからです。
還元剤作用やアルカリ作用を強くすれば、髪を大きく変形させることができます。
しかし、その方法ではお客様が本当に望む自然なストレートには、どうしてもならないのです。
そこで考えたのが、より少ない負担で癖毛をストレートにする縮毛矯正「ぷるぷるストレート」です。
ぷるぷるストレートは、主に尿素による毛髪内部の水分状態や構造変化を考えた薬剤設計です。
そのため、強い癖毛を伸ばす場合でも、高い還元作用や強いアルカリ作用を必要としなくなりました。
縮毛矯正によるダメージや硬さ、不自然なピンピンした仕上がりでお困りの方は、ぷるぷるストレートのページもご覧ください。
