縮毛矯正1剤(還元剤)の種類
縮毛矯正1剤の主成分は還元剤です。その還元剤によって、うねっているくせ毛の結合をストレートに組み換えています(SH/SS交換反応)
縮毛矯正(新生毛用、健康毛用)に使用される還元剤は、主に以下の4種類です。
還元剤の種類 | 分子量 | 至適pH |
---|---|---|
チオグリコール酸アンモニウム C₂H₇NO₂S | 109 | 8.5~9.5 |
システアミン塩酸塩 C₂H₈NSCL | 113 | 8.0~9.0 |
スピエラ C₄H₆O₂S | 118 | 5.0~6.0 |
GMT C₅H₁₀O₄S | 166 | 6.5~7.5 |
- チオグリコール酸アンモニウム
- 初期(25年前)の縮毛矯正から使用されている最も一般的な還元剤。
- pH8.5~9.5 チオ濃度7~11% アルカリ度数3.0~7.0mlで製品化(新生毛、健康毛用)されています。他の還元剤に比べれば残臭は少ない。
- pH8.5~9.5のアルカリ性で使用しないと、くせ毛の伸びが悪いのですが、髪はアルカリに弱い為、既に弱っているダメージ毛に使用すると、ビビリ毛などの失敗に繋がります。
- アルカリ性では髪に悪いからと言って、中性~酸性域で(無理矢理)使用するには、高濃度のチオグリコール酸と長時間の加温放置が必要で、効率も悪く髪にとって本当に優しいのか?疑問が残ります。
- ホッ〇ペッ〇ー、美〇美コム、ポ〇パ〇などで、中性や酸性の記載が無く、良い事だけがいっぱい書いてあるのが、このタイプの縮毛矯正です(¬з¬)
- システアミン塩酸塩
- 化粧品認可(コスメ系)で安心、安全でダメージが少ないと謳っている縮毛矯正です。
- pH8.0~9.0 システアミン濃度5~7% アルカリ度数3.0~5.0mlで製品化(新生毛、健康毛用)されています。
- システアミンは、施術後に臭いが残りやすく、毛髪内部に浸透しにくい還元剤です。特に、毛髪表面のキューティクルがしっかりと残る健康な髪には、くせ毛の伸びが悪い傾向にあります。
- システアミンは、毛髪表面と内部の均一な還元が難しく、縮毛矯正には不向きな還元剤です(既矯正部は除く)パーマに適した還元剤ではないでしょうか?
- スピエラ(ブチロラクトンチオール)
- スピエラ矯正、化粧品認可、弱酸性縮毛矯正、オイル矯正と謳っている縮毛矯正です。
- pH5.0~6.0 スピエラ濃度3.0~4.0%前後で一般的に使用されています。強い臭いがあります。
- 疎水性のスピエラは、毛髪内の保水量が少なくなる為に、髪が湿っている状態からの高温アイロン(水分量と熱量)が必須?です(スピエラ濃度3%、1剤の放置時間10分なら尚更で、くせ毛⇒ストレートへの結合の組み換えは水分の存在下で進む為)
- しかし、水分量と熱量によっては過剰過ぎるパワーでビビリ毛などの大失敗や、反対に水分量や熱量が足りずにくせ毛の伸びが悪かったりと、安定した結果が出にくいはずです。
- ラクトン環にSH基を持つスピエラは、その構造上(切断したS-S結合の)再結合が難しい還元剤です。なので、施術後しばらくしてから酷いダメージが出てきたり、髪も硬くなります。酸性だからダメージが少なく・・そんなに単純ではありません。
- スピエラ矯正???無理がありませんか?(ー。ー゛)
- GMT(チオグリコール酸グリセリル)
- 新還元剤、化粧品認可、弱酸性縮毛矯正、GMT縮毛矯正と謳っている縮毛矯正です。
- pH5.5~6.5 GMT濃度6%~20%で使用されています。刺激臭が少ないです。
- GMTは、酸性~中性域でも毛髪内に浸透し還元力があります。しかし、大手美容メーカーの参入は無く、国内ではまだ新しい還元剤という事もあり、あまり普及していません。情報も少なくマイナーな還元剤です。
- 弱いGMTの還元力を補う為?、スピエラと併用され使われる事もあります。
- 加温(加熱)する事で還元力が著しく増す為、使い方を誤ると酷いダメージに遭遇します。いくら新しくても、髪に優しい還元剤などありませんw( ̄Д ̄;)wエ~ッ!!