ノンアイロン(ブロー)縮毛矯正とは?

ノンアイロン縮毛矯正とは、アイロンを使用しない縮毛矯正です。アイロンの代わりにドライヤー(ブロー)で、くせ毛を伸ばします。別名、ブロー矯正。

「アイロンを使用しないので、自然な仕上がり・・・」、「ノンアイロンでダメージが少なく・・・」等の、広告宣伝が多く違和感を覚えます。

「どうしてノンアイロンでも縮毛矯正が成立するのか?」、メリット、デメリットも知って頂きたいと思います。

薬剤(矯正剤)の強弱

縮毛矯正は、薬剤と熱を利用してくせ毛からストレートヘアに髪を整えます。薬剤には強弱があります。

なぜ縮毛矯正は熱を利用するのか?

縮毛矯正は、髪が濡れている時(水素結合の切断時)ではなく、髪が乾いている時(水素結合の結合時)にストレートにしなければなりません。

その為には、水素結合に負けない程の、強固なS-S結合(共有結合)をくせ毛からストレートヘアに組み換えなければいけません(SH/SS交換反応)

このS-S結合の組み換えを短い時間(営業時間内)で行う為に、アイロンやドライヤーの熱を利用します。

更に、組み換えたストレートヘアがすぐに元のくせ毛に戻らないように、熱で髪を変性(タンパク質の熱変性)させ、形状記憶(凝固)させる必要があります。

アイロンとドライヤーの熱(温度)はどの位か?

  • アイロン 160~180℃
  • ドライヤー 80~100℃

この位の熱を加えて、一般的に縮毛矯正を行っています。ノンアイロン縮毛矯正は、ドライヤーの吹き出し口を髪に付けて、なめしつけるように使用する為、さほど低温と言う訳でもありません。

髪は何℃から形状記憶するのか?

これは毛髪内の水分量によって変動し、乾いている髪で140℃位~、濡れている髪で60℃位~と言われています。

なので、くせ毛をストレートに形状記憶させる為に、アイロン(160~180℃)なら1~2秒間、ドライヤー(80~100℃)なら30~60秒間、熱を加える必要があります。

縮毛矯正=薬剤の強弱✕熱の高低

加える熱が低い方が安全に違いありませんが、それでは強いくせ毛は伸びません。熱を抑える分、強い薬剤を使用しないと縮毛矯正が成立しません。

結論

ノンアイロン縮毛矯正は、「アイロン矯正に比べれば熱ダメージを低く抑えられるものの、薬剤ダメージは大きくなる」の一点しかありません。

メニューを提案し薬剤の強弱を調整して使用しています。

ポンコツ美容師は、オーダーされたメニューの製品をそのままお客さんに使用したり、応用の効かないマニュアル対応で薬剤の強弱を調整をしないので、真っ直ぐ過ぎる、ペッちゃんこ、傷みが酷い、くせ毛の伸びが悪い等、失敗をするのです。

どれが一番良いですか?では無く、お客さんの髪質や希望に合わせメニューを提案し薬剤の強弱を調整してくれる美容師にお願いして下さい。