ヘアカラーによるかぶれ

ヘアカラーによるかぶれとは、頭皮、生え際、耳の裏、首すじなど、ヘアカラー剤が触れたところ等に、かゆみ、刺激、赤み、腫れ、発疹などの皮膚炎症状が出ることです。

今まで全く問題のなかった方でも、ある日突然かぶれてしまうことがあります。

ヘアカラーによるかぶれは、以下の２つに分類されます。

1. 一次刺激性接触皮膚炎
2. アレルギー性接触皮膚炎

一次刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎は、原因物質や対処方法が異なる為、どちらなのか？見極める必要があります。

混同されている方が多いです。刺激は刺激、アレルギーはアレルギーです。全くの別物です（＠ｏ＠！！

一次刺激性接触皮膚炎

一次刺激性接触皮膚炎とは、原因物質の接触によって皮膚の炎症を誘発します。原因物質の毒性が強いほど症状も強く出ます。

誰にでも起こりえるのが、一次刺激性接触皮膚炎です。

ヘアカラーにおける一次刺激性接触皮膚炎の原因物質は主に、

• ヘアカラー２剤（過酸化水素水）
• ヘアカラー１剤に含まれるアルカリ剤

一次刺激性接触皮膚炎は、原因物質に触れてから、あまり時間が経過しないうちから、刺激や痒みを感じたり紅斑が現れたりするのが特徴です。

ヘアカラー中に刺激や痒みを感じても、ヘアカラーを洗い流した後は、症状が治まっていくのが一次刺激性接触皮膚炎ですԅ( ˘ω˘ԅ)

一次刺激性接触皮膚炎の対処方法

• ヘアカラー２剤の濃度を下げる。
• ヘアカラー前は洗い過ぎない。
• 頭皮を空けてヘアカラー剤を塗布。
• プロテクトクリーム等で保護。

アレルギー性接触皮膚炎

アレルギー性接触皮膚炎とは、原因物質に触れると、皮膚の炎症細胞が感作される事を指します。原因物質の毒性の強さと症状の強さは相関しません。

抗原（アレルゲン）を持っている方だけに起こるのが、アレルギー性接触皮膚炎です。

ヘアカラーにおけるアレルギー性接触皮膚炎の原因物質は主に、

• パラフェニレンジアミン（ジアミン）
• ヘナ

アレルギー性接触皮膚炎は、原因物質に触れてから、２４～７２時間後に、かぶれ、痒み、腫れ、紅斑などの皮膚炎症状が強く出る事が特徴です。

酷い症状になると、顔全体が腫れたり、頭皮から滲出液が出たり、ヘアカラー剤が触れていないところまで皮膚炎症状が広がります。

アレルギー性接触皮膚炎の対処方法

• パッチテスト。
• 原因物質を含むヘアカラーを使用しない。

無知な美容師の誤った見解と対処方法

• ジアミン染料を含むヘアカラーを、ノンジアミンカラーと謳っていたり。。。
• アルカリ除去剤を使用して、ジアミンを除去と謳っていたり。。。
• 〇〇でジアミン除去と、ありえない疑似科学を平気で信じていたり。。。
• 少量のジアミン染料なので大丈夫と、根拠も無くお勧めしたり。。。
• アレルギー性接触皮膚炎のおそれがある事を知らずに、ヘナを植物成分だからと安易な理由で勧めたり。。。
• アレルギー性接触皮膚炎の症状なのに、一次刺激性接触皮膚炎の対処方法を行ったり。。。
• ジアミンによるアレルギー性接触皮膚炎の症状が疑われるのに、別のメーカーのジアミンを含むヘアカラーを使用したり。。。

このように、誤った見解や対処方法を取る無知でヤヴァイ美容師が多く生息しています（怖）アレルギー性接触皮膚炎は、救急搬送される事もあり特に注意が必要です。

繰り返しますが、プロテクトクリーム等の頭皮の保護は、一時刺激性接触皮膚炎の対処方法であって、アレルギー性接触皮膚炎には全くの無意味で予防にすらなりませんw(￣Д￣;)w

もしヘアカラーでかぶれてしまったら？（Ｑ＆Ａ）

アレルギー性接触皮膚炎が疑われる場合、使用をただちに中止し、医師の診察を受けてください。かぶれを放置したり、自己判断で手持ちの薬を使ったりしてはいけません。

アレルギー性接触皮膚炎の症状が出ているのに、我慢して使い続けていると、重いアレルギー症状（じんましん、呼吸困難、血圧低下、意識障害）が、突然に起こることがあります。