ノンシリコン

シャンプーやトリートメント等のヘアケア製品に配合されるシリコン。10年前ノンシリコンブームもありましたが、実際に、どんな効果やどんな髪質に向くのかを知らないで使っている方も多いと思いますので、あくまで美容師目線で書いてみます。

シリコンとは?、配合目的、効果、シリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーの違い

シリコンとはケイ素(Si)の事で、ヘアケア製品はもちろん、化粧品、食品、医療、工業など幅広い分野で使用されている安全性の高い成分です。

シリコンには種類があって、成分表にジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、シリカ等と表記されていますが、シャンプーやトリートメントに配合すると、髪表面をコーティングして艶を感じ、手触り指通りが良くなるので、絡まりや引っ掛かりが軽減されます。

なので、ノンシリコンシャンプーと比べると、シリコンシャンプーの方が手触りや指通りが良い事が多いです。

ただ、よく勘違いされている方が多いのですが、手触り、指通りが良くなるだけで、ダメージ毛が再生する事はありませんし、ドライヤーやアイロン等の熱ダメージから髪を守る事も一切ありません。

シリコンが毛穴に詰まる事もありませんし、薄毛や癖毛の原因になる事もありえません。

又、洗い流さないトリートメントやヘアオイル等の大量のシリコンによる重みで癖毛をムリクリ抑えようとする方も多いのですが、そんな事で癖毛は収まりません。ベタベタしてるだけです。明らかに使い方を間違っています。

シリコンは髪に良いの?悪いの?メリット、デメリット

シリコンは安全性が高く、髪に使用すると艶が出て手触り指通りが良くなるので、一見メリットしかないように思えますが、あくまで少量の使用に限った話しです。

シリコンは良くも悪くも髪に残りやすいです。少量なら良いのですが、洗い流さないトリートメントやヘアオイル等の商品が溢れているので毎日大量に使われている方も多く、一度のシャンプーでは落ちません。

お客さんは毎日髪を洗われているので、大量のシリコンが髪に残っているとは理解されていませんし、お客さんと美容師という立場上、「髪がベタベタしてますよ」「洗ってないみたいですよ」って言えないんですよね。。。

シリコンが大量に残留すると油性成分なので、縮毛矯正剤の浸透が悪くなり仕上がりが劣ります。こちらとしては、ダメージの観点から、出来るだけ優しい矯正剤で結果を出してあげたいのですが。。。

矯正剤の浸透が悪いからと言って、強い強い縮毛矯正剤を使っても良いのでしょうか?一回でボロボロになりますよ。

シリコンが大量に残留していると、ヘアカラーの発色も悪いんですよね。ピンクを入いれてもオレンジになるし。。。

元々の髪質で希望の明るさにならない方もいらっしゃいますが、半分くらいの方が残留シリコンが原因で希望の明るさになっていない気がします。

あと、シリコンが大量に残留しているとシャンプーも中々泡が立ちませんし、ドライヤーで乾かしても中々乾きません。ふんわり仕上げたいのにシリコンは重いのでペチャンコです。。。

理由がシリコンやオイルって分かっているだけに、食器用洗剤で洗いたくなりますが、了解を得るのも難しいですし、だからと言って、食器用洗剤を内緒で髪に使ってばれたら怒られますしね、、、

シリコンが熱ダメージから髪を一切守らない理由

勘違いしてる方が多いのですが、シリコンは確かに熱に強い成分ですが、だからと言って、熱ダメージから髪を守る訳ではありません。簡単な実験をしてみます。

シリコン100%、シリコンの原料です。

左手に塗ります。油性成分なのでベトベトです。

アイロン180℃設定

何も塗っていない右手をアイロンで挟みます。

当たり前ですが、火傷します。

シリコン100%を塗った左手をアイロンで挟みます。

当たり前ですが、同じように火傷します(笑)

右手も左手も同じ火傷具合のはずで、シリコンが全く熱ダメージから髪を守っていない証拠です。

疑うなら、お家にある熱ダメージから髪を守るトリートメントを手に塗って、アイロンしてみてください。思いっきり火傷しますから(笑)

いくら髪に、「熱から髪を守るトリートメント」をべった塗りしても、熱は髪に伝わりますので、意味がないんですよね。。。

シリコンが髪に残留する理由

シリコンは水とは馴染みにくい油性成分で、髪に残りやすいです。使用方法を誤って髪に多量に残ってしまうと、、、すなわちビルドアップ(被膜過多、ベタベタ、逆にゴワつく、余計に乾燥を招く状態)です。簡単な実験をしてみます。

1gの毛束を2本用意します。違いが分かるように、左側の毛束の結び目に目印を付けています。

左側の毛束に4gのノンシリコントリートメントを、右側の毛束に4gのシリコントリートメントを塗ります。

2本の毛束を同時にシャンプー、30秒ほど38℃のお湯で水洗しました。

ノンシリコントリートメントを塗布し水洗した左側の毛束と、シリコントリートメントを塗布し水洗した右側の毛束と重さが全然違います。良くも悪くも髪に残るんですよね。

安価なトリートメントも高価なトリートメントも、主成分はシリコン

嘘だと思うなら、成分表を見てください。誰でも分かります。

ノンシリコンシャンプー、ノンシリコントリートメントはこんな方にお勧め

ノンシリコンシャンプー、ノンシリコントリートメントは、ふんわりと軽い仕上がりになるため、髪が細くて柔らかい猫っ毛の方、毛量の少ない方、ボリュームを出したい方。

油性成分であるシリコンは髪に残留しやすく、痒み、湿疹、フケの原因ともなります。サッパリした洗い上がりを求める方。

髪がベタベタして中々髪が乾かない方

ノンシリコンシャンプーが向かない人

シャンプーやトリートメント時にきしみさえ出なければ、向かない人はいません(爆)


うんちくだけ読ませても仕方ないので、、、

ノンシリコン=きしむイメージが強く、実際にきしまないノンシリコンシャンプー、きしまないノンシリコントリートメントは中々無いので、自社開発してみました(=^^=)

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